トヨタ・セルシオ歴代モデルの概要やスペックを紹介!

トヨタ・セルシオ歴代モデルの概要やスペックを紹介!

10系・UCF1#型(1989年~1994年)

セルシオの型式UCF1#は黎明期である1989年から1994年にかけて登場したモデル。#にはサスペンションの違いが分かるようになっています。0ならコイルサスペンション、1ならばエアサスペンションを示しています。この当時、仕様をA,B,Cの3段階に分けており、当時の最上級グレードはC仕様。前後ダブルウィッシュボーン式・電子制御エアサスペンションにより、快適でスムーズな乗り心地を実現しました。

初代セルシオは国内で初めて車両のフロント部にトヨタCIマークを冠しました。高級車のイメージが強かったこともあり、オーナードライバーを多様な層に想定してグレードを3段階に分けたにもかかわらず、最高級C仕様モデルが最も売れ筋となった経緯があり、中古車市場でもやはりC仕様がもっとも人気があるようです。それもまた、和名の由来はラテン語「celsus(ケルスス、最高)」の比較級「celsior」ですから、致し方ない現象とも言えますね。



20系・UCF2#型(1994年~2000年)

初代発表から5年、フルモデルチェンジを図ったことを期に、2代目が登場します。世はバブル崩壊後の時代とあって、リヤウインドウの合わせガラスがなくなるといった、多少製造コスト削減を意識したモデルとも言えます。

また、初代の外観をほぼ踏襲したという事もあり見た目では大きな変化はなかったものの、後部座席の居住性を大幅に改善した結果、躯体に大きな変化が。さらに初代で指摘の多かったブレーキ性能を改善するなど、初代をしのぐ安全性、快適性を追求しています。さらにその3年後になる1997年にはマイナーチェンジが図られ、車両の顔とも言えるフロントデザインが一新されました。また、市場からの訴求も強かった安全装備を充実、6箇所のエアバッグ、横滑り防止装置、ブレーキアシストなど、現在では普通に使われている技術が使用されています。

30系・UCF3#型(2000年~2006年)

3代目にあたるこの年代のセルシオは、外観も大幅刷新。角張った印象から曲面を多用したモデルとなりました。基本グレードは初代からの継続で3つでしたが、さらに最高級モデルであるC仕様には2代目からの引き継ぎでパッケージオプションが。3代目では2代目よりも多い3種類が投入されました。

機構に関して言えば、3代目からは電子制御機構を多用し、全てのドアにイージークローザー、ワイヤレスドアロックの進化型であるスマートキーシステムがオプションとして登場しています。さらに環境に配慮し、先代に比べ排気ガスが当時の規制値よりも75パーセントも低減するなど、制御機構にも新技術が折り込まれました。2003年8月のマイナーチェンジではヘッドライト、ボンネットなど全てが新しいデザインになっています。



セルシオの終焉(2006年5月販売終了)

それまでセルシオはトヨタ店、トヨペット店の販売チャネルで扱われていましたが、2003年2月に国内でもレクサスブランドを展開することを決め、セルシオの名前は廃止することが決まります。この決定から販売終了の2006年5月までがセルシオの終焉期にあたりますが、先にも触れました2003年8月のマイナーチェンジにより、さらに高級車としての輝きを放つこととなります。かつてバブルの華やかな時代、トヨタの高級車として名を馳せたセルシオ。クラウン、センチュリーと並び国内のオーナー達を席巻していたこの高級車は、往年のファンには今だに強い愛着を持たれる車両であると同時に、VIPカーのためのドレスアップ改造車のベースとしてのニーズが高いことでも知られています。

まとめ

いかがでしたか? 時代背景も含めて、セルシオの歴史を振り返りながら中古市場でのニーズについて述べてまいりましたが、この記事でご理解いただけたでしょうか?販売が終了して10余年が経過した今でも高級車としてのブランド価値が高いのは、まさに販売終了をもって名前も廃止されるというドラマがあったからでしょう。現在でも高級でやたら大きいという印象の強い同車ですが、現在50代、60代の方がまだ若かりし頃の「ステータスの象徴」とも言える憧れの車両。スタイリングはもちろん、カラーも重厚で社会的地位の高い人物こそが乗るにふさわしいといったものでした。バブルの時代を生きた車両であるという付加価値は今も捨てがたいですね。