この外車の人気の秘密 個性とコスパを両立した3台

この外車の人気の秘密 個性とコスパを両立した3台

数ある外車の中でこの3台を選んだ理由

外車に乗ることは簡単ではありません。輸入コストがかかる分、価格が高めですし、性能や使い勝手を考えると、どうしても日本車に目がいってしまいます。
しかしここで紹介する外車は、独特の個性を持ちながら、コスパにも優れた3台です。外車に乗るメリットを感じられるでしょう。



「本格派じゃない」が逆にいい 知られざるSUV

プジョー|3008 価格帯354万~426万円(新車)
外車のSUVといえば、レンジローバーやジープが有名ですが、プジョーも優れたSUVをつくっています。3008は2017年にヨーロッパ・カー・オブ・ザイヤーを獲得しました。日本であまり知られていない人気車といえるでしょう。
SUVは、悪路での走破性能を極めた硬派タイプと、都会のシーンに溶け込むスタイリッシュタイプに分かれますが、3008はスタイリッシュタイプです。3008には4WDの設定すらなく、すべて前輪駆動です。
3008のフロント部分のデザインは、流行りの「流し目」ライトが目を引きます。ボディ側面は直線的なラインを取りながら、前輪と後輪の上部に彫刻刀でサッと削ったような「彫り」があり、これがフランス車らしい優雅さを演出しています。後面は、左右に3つずつ配置した計6つのライトが特徴的です。
内装は、水平線と斜線を基本としたラインでデザインされ、最先端が好きなフランス人が喜びそうな近未来的な雰囲気があります。
3008は、コンパクトSUVの2008の上級モデルですので、車体が大きく風格も備わっています。ドイツ車派の人も検討に値する1台といえるでしょう。

街に溶け込むのに存在感がある

BMW|ミニ・クロスオーバー 価格帯393万~556万円(新車)
ミニを買って満足できるのは、「次こそ外車に挑戦してみたい」という40代の男性や、「普通の人とは違う選択をしたいけど、トガッた車には乗りたくない」という30代の女性です。
ミニは日本で最も売れている外車のうちの1台です。なぜミニの良さは「そこそこ感」と「妥協のなさ」が同居しているところです。
「そこそこ」といって決して悪口ではなく、押しが強くない感じが、かえってこの車を品よく見せています。ミニの妥協のなさは、BMW社によるつくり込みの確かさもありますが、そのラインナップの豊富さからも感じられます。ベーシックの3ドアハッチバックに始まって、かっ飛びタイプ、オープンカー、ファミリー対応の5ドア、クラブマンというワゴンタイプもあります。
その中で注目したいのはミニ・クロスオーバーです。ミニのかわいらしさと、4WDの走りの確かさと、広い車内空間の利便性が同居した、とてもお得感がある車です。
ミニ・クロスオーバーは、「ミニでアウトドアを満喫したい」というユーザーにはまるでしょう。オートキャンプ場に居並ぶビックサイズSUVやミニバン、ワゴンの中に、ミニ・クロスオーバーが入ってくると、周囲の人は「そういう選択もアリだな」と感じるでしょう。ミニ・クロスオーバーは、オーナーの所有欲をくすぐる車です。
ミニ・クロスオーバーは「見た目で買って、使い勝手で長年ほれ込む」タイプの車といえます。



王者がしたたかな戦略でつくった庶民カー

メルセデス・ベンツ|CLAクラス 価格帯399万~773万円(新車)
ベンツはかつて、「高くて買えない車」の代表格でした。そのベンツが「庶民が普通に買える車」として世に送り出したのがCLAクラスです。最も安いグレードは400万円を切りました。
しかし安さでいうなら、同じベンツでもAクラスは298万円から出ています。CLAの魅力は、単に安いだけではなく、「この価格でこのベンツらしさはなんだ!」という驚きが得られるところです。
CLAには、見た目が4ドアセダンのクーペと、見た目がワゴンのシューティング・ブレークの2種類あります。ベンツが「クーペ」と「シューティング・ブレーク」という言葉にこだわったのにはわけがあります。
CLAは、便利さを少し削ってスタイリッシュな外観を優先させるというコンセプトがあるのです。CLAクーペは、ボディ中央から後部にかけてのラインがとてもスムーズで、そこにボリューム感あるテールランプが加わり、全体のデザインを整えています。CLAシューティング・ブレークも、側面のガラスを長く伸ばすことでワゴン独特の「ゴツさ」を薄めています。
両タイプともとても美しい仕上がりです。
内装も納得の仕上がりで、CLAの運転席まわりのデザインは奇をてらったラインやアクセントはなく、いわゆる「知っている」デザインなのですが、不思議と見飽きません。各部品の素材の良さが、気品を演出しています。
CLAが値段の割に完成度が高いのは、ベンツの戦略です。CLAのグレードは、Cクラスのちょっと下に位置します。
「Eクラスには手が届かない。でもCクラスで妥協するくらいなら国産の高級車にしようかな」という顧客を逃がさないために開発されたのが、CLAといえるでしょう。CLAを買った人は「やっぱりベンツは良い。お金が貯まったら次はEクラスにしようかな」と思うことでしょう。

まとめ~人と違う生活を味わいたい人に

日本に輸入される外車はほとんどが上級モデルなので、外車は決して安い買い物ではありません。しかし、所有欲やステータスを「パフォーマンス」に数えると、コスパは決して低くありません。
「外車を買うと生活が変わる」と聞いたことがありませんか。外車に乗ると「人とは違う」という気分を味わうことができます。