自動車車検が必要とされる根拠

自動車車検が必要とされる根拠

自動車車検は必ず受けなければならない

車を持っていれば誰しもが自動車車検の時期が気になることでしょう。
自動車車検は、道路運送車両法によって法律で規定されています。
同法61条によれば、自家用車は2年に1度(新車であれば、初回のみ3年に1度)自動車車検を受けなければなりません。自動車車検を受けていない状態で公道を走行してしまえば、相当厳しい刑事罰や行政処分などが待ち構えています。
もし、自動車車検を受けていない車を公道で走行させたのであれば道路運送車両法違反、自賠責保険を切らしたまま公道を走行させたのであれば自動車損害賠償保障法違反となり、それぞれで6点もの違反点数が加算され、高額な罰金刑(悪質な場合は懲役刑に服する場合も)も科されることとなります。
自動車車検が切れている際には、同時に自賠責保険も切れている場合が多くを占めます。その際には、総合して12点もの違反点数が加算され、罰金刑などの刑事罰についても併科されることとなるのです。


自動車車検についてなぜ厳格な法定がなされているのか

自動車車検を受ける際には、車を点検整備するとともに、自賠責保険への加入義務があります。このうち、車の点検整備については、車を取り扱う業者やガソリンスタンドなどで行うことが一般的ですが、それなりの知識を有しているのであれば、個人でもできます。
自動車車検が法定されていなければ、点検整備が不十分なままで公道を走行する車が増加してしまうことから、交通事故が頻発し、その程度についても惨状を極めることとなる恐れがあります。
そして、自賠責保険に未加入なままであれば、交通事故の被害者に対して補償が行き渡らない可能性もあります。
このような事態を防止するために、自動車車検は設けられています。

自動車車検は、あくまで最低限のもの

自動車車検さえ受けていれば、次期車検の行われる日時までは整備点検をせずともよいと考えている人も少なからず存在するようですが、これは誤りであって、自動車車検とは単に法律に照らし合わせた検査を行うのみで、次期自動車車検までの安全性を担保するものではありません。
そうしたことから、自動車車検に通過したのみでは不充分であって、定期的な点検整備を要するのです。また、このような定期点検整備は、自動車車検では把握し得ないような整備を可能としており、安全性の観点からは不可欠ともいえるのです。


自動車車検を受けるためには

自動車車検の方法は、大別すれば、整備工場で受ける方法と、車の持ち主自らが検査だけを受ける方法とに分かれます。
整備工場には、国から認証を得た認証整備工場と、民間の指定整備工場とに分けることができます。

自動車車検に係る制度の過程

自動車車検の制度は、本来は、タクシーやバスなどの旅客車やトラックなどの貨物自動車など業務用途の車両について、1930年に開始されています(その名残からか、道路運送車両法61条によれば、業務用途の車両については1年ごとに自動車車検を行わなければならないと定められています。)。
そして、次第に一般にも車が広まってきたために、1951年に現行法とほぼ同じである道路運送車両法が法定されました。その後、間もなくして、交通事故による被害者の補償に資するために自動車賠償保障法が規定されたことによって、公道を走行する際には、必ず自賠責保険に加入しなければならない旨が定められました。
さらに1973年に、軽四自動車についても自動車車検を行わなければならなくなりました。
近時においては、2002年に自動車リサイクル法によって、環境保護の観点から、自動車車検においてリサイクル料金が支払われていることを証するリサイクル領収書の提出が義務付けられることになりました。
このような次第で、自動車車検に係る制度は日々進歩しているのです。

参照サイト:https://www.syaken-kaisetu.com/01.html