自動車の基礎知識 マニュアル車の現代における安全性の高さ
- 2017.12.07
- 車の知識
廃れてきているマニュアル車の現代における必要性
昨今の自動車事故の中にアクセルとブレーキの踏み間違いというものが多く見受けられます
これは、オートマチック車であるからこそ発生しやすい初歩的な事故でありますが、高齢化が進む現代ではオートマチック車全盛というのはいささか弊害が大きいのかもしれません。
マニュアル車であれば、ペダルの踏み間違いという本当に初歩的な操作ミスというのは発生しづらくなるでしょう。
マニュアル車とオートマチック車の大きな違い
単純な構造の違いになるのですが、オートマチック車はエンジン始動後シフトポジションをDレンジに入れてしまえば、ブレーキペダルを離すだけで動き出します。
一方、マニュアル車というのは動き出すために「クラッチ操作」が必須です。
たとえ1速にシフトチェンジしたからといって、ブレーキを離すだけでは坂道でもない限り勝手に動き出してしまうということはありません。
つまり、動き出すための行程が1つ増えるということなのです。
複雑化した操作によって運転することにマンネリが少しでも減るということは、多少なりとも集中して運転に臨めるということにつながるのです。
いまどきマニュアル車なんて必要なの?
超高性能化が進んでいる自動車、それもオートマチック車が多く取り引きされている現実を見るとあまり必要ないと思うかもしれません。
しかし、絶対的な初期トルクの違いというのは無視できません。
たとえば、軽トラックなどを考えてみてください。
荷台には660kgまでの重量物を積載できます。
非力なエンジンですが、できればあまりエンジン回転を無駄に上げて動かしたくないですよね?
オートマチック車というのは、トランスミッションの特性上無駄にしているパワーが多くあります。
しかし、マニュアル車はそのパワーロスをあなた自身の感覚で任意にコントロールすることができるのです。
俗にいう「半クラッチ」です。
半クラッチによってパワーロスを任意でコントロールできなければ、燃費がどんどん悪くなってしまうのです。
軽トラックを引き合いに出しましたが、乗用車でも同じことがいえるのでマニュアル車は必要不可欠だといえるでしょう。
高性能化しているオートマチック車でもダメ?
マニュアル車の問題点は「エンスト」です。
色々なドライビングアシスト機能を使用する上では、マニュアル車は圧倒的に不利な自動車でしょう。
しかし、オートマチック車であればその点には一切の不満もなく安全性や燃費に貢献することができます。
例えばアイドリングストップ機構。
停車のたびにエンストを起こしていることになりますが、マニュアル車でこれは実現できません。
次に自動ブレーキアシスト機構。
これもエンストの頻発となるため、交通の妨げにしかなり得ません。
かといって、ペダルの踏み間違いでの事故が起きているのは主に発進時だという事実を考えてみてください。
アシスト機構はあまり効果がないものとなってしまいます。
踏み間違えアシストもありますが、まだ前車搭載というわけではありませんし、搭載すれば本体価格は上がってしまいます。
そのアシストが欲しいがためだけに乗り換えというのも難しい話です。
やはりオートマチック車だけでは厳しいものがあります。
もうマニュアル車の運転ができないのだけれど…
免許証の問題でマニュアル車の運転ができない方もいると思います。
この場合は他に選択肢がありませんので仕方ありません。
わざわざ限定解除をするのも時間とコストがかかります。
しかし、もともと非限定な方がオートマチック車に乗っているという方が多いのではないでしょうか。
しばらくマニュアル車を運転していないと、いざ運転してみようとしても不安になります。
しかし、それは運転できないのではなくただ怖いだけなので運転自体はできるはずです。
身体的な問題がない限り運転できます。
毛嫌いせずに踏み出してみませんか?
まとめ
自動車はもともとマニュアル車から始まっています。
便利になってオートマチック車がもてはやされるようになり、操作も簡単になったことで幅広い年齢層で性別を問わず運転する方が増えました。
しかし、便利なことに甘んじて頻発している事故を鑑みるに、便利なだけではダメなのではないかと考えるべきだと思うのです。
運転者をアシストすることでは、運転者自体の注意力は上がらないのです。
現代だからこそマニュアル車の検討をしていただきたいです。