今流行りのシーケンシャルモードとは?メリット、デメリットは?
- 2018.01.15
- 車の知識
シーケンシャルモードとは?
シーケンシャルモードとはシーケンシャルミッションのような変速ができる技術です。シーケンシャルミッションは変速機の1種で、ドライバーが変速比を1速→2速→3速という風に順番にひとつずつ動かしていくものです。一般的なマニュアルトランスミッション(通称MT)は、シフトレバーを前後左右に動かすことから Hパターンとも呼ばれていますが、それとは違いシーケンシャルミッションはシフトレバーを前後に動かし順を追ってギアを選ぶようになっています。シーケンシャル操作ができるクルマはATシフトレバーを特定の位置に移動させるタイプとステアリングの背面に設置されているタイプがあります。
シーケンシャルモードはAMT車に備えられる
先ほど説明したシーケンシャルミッションのような操作ができるシーケンシャルモードは、AMT車に備えられています。みなさんの良く知っているAT車と外観や操作感に違いはそんなにありませんが、現在ヨーロッパではAMTが主流と考えていただいていいと思います。正式にはオートメーテッドマニュアルトランスミッションとよばれ、自動化されたマニュアルミッションということになります。構造的にはMT車と同じく摩擦クラッチと平行軸歯車式変速機の組み合わせですが、自動変速が行われるトランスミッションのことを指しています。平行軸歯車式は他の変速機に比べ機械的な伝達効率が高く、電子制御によって熟練のドライバー以上のテクニックで変速が行われるため、燃費や走行性能を高めることが可能です。BMWSMG,SMGⅡが有名ですね。
シーケンシャルモードのメリットとは?
シーケンシャルモードのメリットは、直接ギアをニュートラルには戻すことができないのですが、間違ったギアを選択する可能性も少なくなるので、競技用の車両に採用されることが多いですね。 ギアを間違ってしまうとどうなるのかといいますと、エンジンブローを起こしたり、スピードが出ているとミッションが壊れてしまう可能性もあります。 また現在はハンドルにパドルシフトが付くタイプが多く誕生しており、シフトレバーの前後の操作でハンドルから手を離すことなく操作できますので、意識を道路に向けることができ、安全性が向上しますから交通事故の減少が期待できるでしょう。無駄のないシフトチェンジによる燃費向上のメリットもありますので、世界レベルで考えられている環境問題に貢献できますね。
シーケンシャルモードのデメリットとは?
先ほど申し上げた通り、1速→2速→3速とシーケンシャルモードは必ず一段ずつの操作になっていますので、日本のような信号の多い一般公道での使用には、あまり向いていないでしょう。マニュアルトランスミッションではアクセル、ブレーキ、クラッチそしてシフトレバー、これら4つを合わせたドライビングの醍醐味がありましたが、シーケンシャルトランスミッションはクラッチのない2ペダル方式なので、MT派には物足りないところもあります。Hパターン(MT)と違い、狙ったギアを直接選ぶことができなくなり、坂道に出会いギアを二段階下げて対応したいときなどに不便さを感じてしまいます。
まとめ
現在は、シーケンシャルモードの採用車のミッションはDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が主流で、 国産車ではスポーツタイプの車や高級輸入車でもDCTが目立ちますね。しかしヨーロッパでは燃費向上のためにDCTを採用しているケースも多いです。ザックリといえばDCTはAMTを2台組み合わせたものです。この高性能のミッションを生かすためにシーケンシャルモードが採用されている訳です。シーケンシャルモードはレーシングドライバーのような運転が楽しめる技術ですが、燃費向上などによる環境改善にも一役買っている素晴らしい技術といえますね。