しっかり準備すれば、車の塗装も、DIYで大丈夫!

しっかり準備すれば、車の塗装も、DIYで大丈夫!

小傷程度なら、自分で塗装してみませんか?

車の塗装と聞くと、「自分でやっても上手くいかない、ムリムリ」という声が聞こえてきそうですが、基本的な知識をきちんと確認し、道具や段取りをしっかり準備すればDIYでも十分可能です。もちろん、ボディー全体をアマチュアがDIYで別の色に塗り替える、というのはさすがに無理があるのであまりおすすめしませんが、すり傷の補修などは十分に対応可能です。DIYで行う塗装となると、アマチュアが使えるものとしてはスプレーガン+コンプレッサーかスプレー塗料です。ホームセンターなどでコンプレッサーも入手可能ですが、やはりDIYで小傷のペイントなどをするのであればスプレー缶が手軽で便利です。今回はホームセンターやカーショップにあるスプレー塗料を利用する方法をガイドします。

作業前に確認するのは、自分の車のボディカラー番号

ペイントを始める前に、できれば自分の車の色番号を調べておくとより正確にスプレー缶の色を絞り込むことができます。店頭で見て「確かこんな色だったなあ」と記憶だけで買うのは禁物です。色番号の確認は、エンジンルームにある型式番号の書かれたプレートで確認できます。名刺くらいの大きさの金属プレートがエンジンルーム内にありますので探してみてください。これには車固有の車台番号や型式などの基本情報が書かれていますが、その真ん中あたりに「カラー」などと書かれた項目があります。国産車の場合には、ほとんどエンジンルーム内にありますが、外国車の場合にはトランクルームやドアを開いた取付ヒンジのあたりに貼ってあるものもあるので確認してみてください。カラー番号がわかれば、より正確に適切な塗料を入手することができます。もしわからない場合には、ホームセンター等の店頭にある塗装の一覧表で車種と年式から探すこともできますが、色番号を調べておくのが確実です。塗料メーカーのサイトによっては番号の調べ方をガイドしているものもありますので参照してみてください。

塗装の準備は、研磨用の用品や塗料等の材料確保から

ホームセンターやカー用品店で購入するものは、スプレー塗料はもちろんですが塗装前の下地を整えるための研磨用のコンパウンドと呼ばれる磨き剤や、水をつけて磨くことができる耐水ペーパー。もしへこみがあれば、それを埋めるためのパテ。そしてマスキング用に、マスキングテープとマスカーと呼ばれるテープ付きマスキングフィルムです。マスカーは、フィルム部分が50cmくらいのもので十分です。塗装の基本は、ペイントすることももちろんですが、下地処理とマスキングがとても重要になります。日曜大工のペンキ塗りも実は同じなのですが、ここをしっかりやることで仕上がりに大きく差が出るのです。そして必需品としておすすめなのが、介護などに使う薄いゴム手袋です。100枚600円前後でドラッグストアに売っていますが、手にピッタリなじむ上に使い捨てなので便利です。ほとんど手を汚さずに塗装作業ができます。台所の油汚れ掃除等にも使えるので、100枚でも無駄になりません。



下地処理とマスキングが仕上がりを決める

塗装の出発点は、塗面をきれいにすることです。傷をきれいに磨き表面を滑らかにすることが大切です。そのためには、まず塗面のクリーンアップ。塗装個所の汚れをきれいにして、油などは落としておきます。そして下地処理です。傷を目立たなくするように粗目の耐水ペーパーから細か目の耐水ペーパーに変えていきながら丹念に磨いていきます。磨いては水をかけて下地の状態を目と指先でこまめに確認し、美しい下地をつくるようにします。磨きすぎると凸凹になりますので注意が必要です。傷の箇所より少し広めに下地を作り塗装もやや広めに行うことが、ペイントを目立たなくするコツです。傷だけでなくへこみ等が大きい場合には、パテで埋める必要もあります。その場合には、下地を70%くらい磨いておいて、パテを塗り、乾いたらペーパーで磨いて、表面を滑らかにします。目と指で滑らかさをチェックしてきれいな面を作り、必要があれば水溶性のコンパウンド剤で仕上げ磨きをします。

マスキングで手を抜くと悲しい思いをします

スプレー塗装は、意外に広い面積まで塗料が飛んでしまうので、ガレージの床だけでなく壁なども汚してしまいがちです。また、意外にやってしまうのが塗装面以外のタイヤなどの部分を汚してしまうことです。タイヤに付いたペンキは結構目立つので、これは絶対避けたいことです。そのためにもマスキングをしっかりやることが大切です。車の下の床部分も、なるべく広い範囲にレジャーシートや新聞紙などでカバーしておきます。濃い色のペイントが床に付くと非常に目立つ上に取りにくくなってしまうからです。そして塗装する範囲より広めにマスキングテープで囲んで、その周りをマスカーでマスキングします。塗装箇所より下の部分はどうしてもスプレーが飛んでしまうので、特に丹念にマスキングします。もちろん、タイヤも。こんなところまで飛ばないだろうと思うような箇所も念のためマスクしておきましょう。塗装する側のタイヤは全体をマスカーで覆っておくことをおすすめします。



スプレー塗装は、少し遠目からかけて厚塗りをしないこと

いよいよ塗装工程です。筆者は塗り始める前にボディの下部やボンネット裏など目立たない部分に小さく試し塗りをして、塗料の色がボディの色と同じかどうかを確認するようにしています。できれば塗ってすぐでなく、乾いた状態の色まで確認しておけば万全です。こうすれば、塗り始めてから「色調が違う!!」という悲しい事態を避けられます。スプレー塗料は近い距離から多めにかけすぎると垂れてきてしまい仕上がりが悪くなります。塗料メーカーによって広がり方が多少異なりますが、4~50cmくらいの距離感で調整してみてください。ふだんあまりスプレー塗装をしない方は、新聞紙などで試し塗りをして塗料の広がる感覚を練習したほうがいいでしょう。二度塗りで仕上げるつもりで、一度目は軽く薄めに塗っていきます。傷の周りは気持ち薄めにかけて、元のボディ色との境目がわかりにくいように心がけます。そして、塗料を二度塗りした後にクリヤー塗料で仕上げの上塗りをすることができれば、塗料がはげることを軽減することが可能です。

まとめ

いかがでしたか?きちんと準備をして、慎重に、丹念に作業を進めていけば、小さな傷なら自分できれいにペイントすることができます。まずは、自分の車のボディカラー番号を調べておくこと。次に、車にあった適切な色の塗料を選び、下地処理のための耐水ペーパーなど研磨用材料やマスキングテープ、マスカーなどのマスキング用品を準備する。そして、塗ることはもちろん大事なのですが、下地処理とマスキングが非常に重要なのです。塗装面を磨いてきれいに滑らかに仕上げ、余計なところに塗料が付着しないようにしっかりとマスキングをすれば、塗装作業のヤマは越えたようなものです。「早くスプレーを塗りたい」と思いがちですが、この事前の工程をきちんとやることが、きれいな仕上がりにつながります。そして塗料は厚塗りせず薄めで二度塗りすること。最後にクリアー塗料をかけて、しっかりと色を守ることです。自分で塗装すると、日頃は見る機会の少ない下回りのチェックもできますし、車への愛着も深まります。あなたもぜひDIYペイントにチャレンジを!