幻の車?50年以上愛され続ける日本の名車トヨタ2000GTを紹介

幻の車?50年以上愛され続ける日本の名車トヨタ2000GTを紹介

生産台数わずか337台の幻の車

開発はトヨタとヤマハの共同で、生産はヤマハ発動機によって1967年から1970年まで行われました。その台数はわずか337台、それも一台作るごとに約60万円の赤字が出たという、夢に溢れた車です。当時の販売価格は238万円、大卒初任給が2万6000円程度の時代ゆえ若者の憧れの的でした。なお2000GTの殆どが現存し、その9割は国内に残っているそうです。また一般人が一度は目にした事がある理由が、映画007のボンドカーです。ボンドカーモデルは2台存在し、1台はトヨタ博物館に展示されています。他にゴールドカラーの2000GTも存在し、3台現存しています。

レースでも数々の成績を残す

発売の1年前に耐久レースの日本グランプリでデビュー戦3位を飾りました。以後、耐久レースにはめっぽう強く、現在も続く鈴鹿1000kmレースや2018年に50年ぶりに開催される富士24時間レースの1967年大会でも優勝しています。また当時、スポーツカーの証とも言えるスピード記録もいくつか塗り替えました。自動車高速試験場(現:日本自動車研究所)で13カテゴリーの記録を樹立、これまでの記録はポルシェ、トライアンフやクーパーなど、自動車の本場ヨーロッパのスポーツカーが保持している記録をあっさり塗り替えてしまったのです。



いくら払えば手に入るの?

当時のレートを今の価値に換算すれば新車価格は2600万ぐらいでしょう。大金を叩いても2000 GTを買いたいと願う方は少なくありません。いくら支払えば入手できるのでしょうか。2014年にアメリカで開かれたオークションでは1億1000万円の値がつきました。そもそも現在の所有者は両親が持っていた車を譲り受けたなど身近な方から提供していただいたケースが多いようです。いくら大金を積んでも買えない車、2000GTが人を魅了する証と言えます。どうしても欲しければオーナーと交渉するか、海外のどこかに存在する車体を探すしかないでしょう。

レプリカを作っちゃった!?

実はレプリカ作成は珍しくありません。東京オートサロンではフェアレディZをベースに2000GTをこしらえた方がいました。そっくりそのまま再現したのが愛知県のロッキーオートです。なんと2000GTの開発担当者の協力を得る事に成功、実車を測定し精巧な3次元モデルを作成、図面に起こし、足回りや内装など発売当初に限りなく近い状態の部品を用いて再現したのです。直列6気筒3000ccエンジンを搭載したROCKY3000GTとして現代に蘇らせました。現在は受注生産となっており、資金さえあれば入手できるのです。



2000GTは現代に復活するのか?

2012年からトヨタは往年の名車AE86型カローラレビン/スプリンタートレノの後継車としてトヨタ86を販売、大きな話題となりました。そして2017年は2000GT発売からちょうど50年であるため、東京モーターショーで86のように現代に復活するのでは?と期待が寄せられました。しかし願い叶わず発表はありませんでした。では今後、復活の可能性はあるのでしょうか?2018年1月時点でトヨタが公にしているのはBMWと共同でスポーツカー開発です。もっぱらスープラの後継とも噂されていますが、もしかすると、2000GTの後継かもしれませんね。

まとめ

2000GTが発売されて50年、未だに世界中にファンが根付いています。近代化する街中を走っていても絵になるそのフォルムや、DOHCエンジンの独特のサウンドは、人々に眠る琴線に触れ感動を呼び起こさせるのでしょう。レプリカを作ってまで乗りたいと思わせる力こそ2000GTの魔力とも言えます。また日本のモータースポーツの原点でもあり、市販車部品の大半を流用してレースをするのは、自動車レースの醍醐味です。現代モータースポーツは重箱の隅をつつくような事例が多いですが、今こそ原点回帰の必要性が2000GTを通して垣間見られるのではないでしょうか。