車のラジエーターのメカニズムをわかりやすく解説!!
- 2018.02.01
- 車の知識
車のラジエーターのメカニズムとは?
簡単に言うとラジエーターは、エンジンを冷やすものです。日本語では放熱器といいます。車のエンジンは燃焼を繰り返し発熱します。その発熱を冷却液が吸収、高熱になった冷却液の温度を下げる装置がラジエーターです。ラジエーターの中を冷却水が通り、温度を下げます。ラジエーターは周りに空気を放熱するのですが、放熱した空気が移動していれば解熱の効果が高まりますね。そのために、走行中の風が当たりやすいように、クルマのフロントに組み込まれます。こうした風の流れを自然通風と言います。しかし自然通風で足りないケースは冷却ファンを稼働させて、強制的に風を送ってラジエーターの温度を下げています。
車のラジエーターを含む水冷装置が機能していない場合の現象とは?
水冷装置が機能していない場合、例えばエンジンが耐えきれないほどの過熱状態になるとオーバーヒートという現象が起こり、ロデオマシーンに乗ってるかのようなノッキングが起こります。 また エンジンオイルの劣化も激しくなり本来の能力が低下します。さらにオーバーヒートが続くとエンジンの部品が溶けたり変形したりしてきます。オーバーヒート現象を防ぐために、ラジエーターなどの冷却装置を使ってエンジンを冷やしていきます。また冷やしすぎもダメです。オーバークールという現象が起こり、エンジン動作の不具合や燃費の悪化を招く原因になります。
車のラジエーターの構造は2通りある
車のラジエーターは冷却水を温度を下げる装置ですが、水平に冷却水を流す横流れ式ラジエーターと重力に逆らわず、上から下へ冷却液を流す縦流れ式ラジエーター冷却水があります。横流れ式ラジエーターの方が温度を下げる効率は高いのですが、温度が低下しすぎるオーバークール現象が起こります。縦流れ式ラジエーターは国内の自動車メーカーで採用され、欧州車などは高速道路が多い事情があり、横流れ式のラジエーターを多く採用することが知られています。またラジエーターには、放熱性が高く、軽量なアルミニウム合金製が一般的ですね。
車のラジエーターを使わないエンジンの冷却方法がある
車のエンジンの冷却方法は2通りです。一つは先ほど説明したラジエーターを使った冷却方法で水冷式と言われます。 水冷式は冷却液(冷却水やラジエーター液 )を使用し冷却します。水冷式は冷却効率が良く、エンジン均一に冷やすことができるメリットがあります。またエンジン音を抑える役割もありますね。一方の空冷式ですが構造がシンプルというメリットがあります。非常にメンテナンスが簡単なのですが、エンジン音がうるさいことと、冷却効率が水冷式より落ちることがデメリットです。現在日本の自動車メーカーではほとんどが水冷式の冷却方法を使っています。
車のラジエーターに使う冷却水は普通の水ではない
冷却水は普通の水道水ではありません。冬になると一般の家庭でも起こる水道管の凍結による破裂ですが、車も同様です。普通の水は0度以下になると凍結し膨張しますので、部品の破裂を防ぐために、冷却液の中には不凍液が入っていることが一般的です。 古い車のラジエーターを見るとよく錆びています。原因は冷却液が漏れて水垢などが発生するからです。エンジンの部品が錆びを防ぐために、先ほど紹介した不凍液にプラスして LLC( ロングライフクーラント)という錆を防ぐ効果のある成分を冷却液に入れています。ただし緊急の場合は、普通の水を使用しても問題ありません。
まとめ
車のラジエーターについて解説してきましたが、少し専門的な話になりましたね。ラジエーターを取り上げた理由は、ユーザーがしっかり冷却水の量を点検するだけで、高価なラジエーターの故障が未然に防げるからです。少なくなっているようなら、冷却水を足しましょう。また、タコメーターの周辺にあるオーバーヒートのマークをチェックするクセを付けるようにしましょう。走行中に赤いマークが点滅し始めると、エンジン内の温度が上がっている(オーバーヒートする)ので、すぐに停車してください。真夏の高速運転では時々起きます。エンジンを休ませることでまた走れるようになりますが、すぐに専門家にチェックしてもらいましょう。