燃費にも影響!エンジン構造と直噴エンジンとは?
- 2018.02.02
- 車の知識
直噴エンジンとは?
車の動力の心臓部であるエンジン。エンジンにはいくつかの種類がありますが、圧縮された空気が入っている燃焼室に、直に燃料を噴射するエンジンのことを『直噴エンジン』と言います。
英語で表記するとDirect Injectionであり、DIと呼ばれることもあります。
また『Port Fuel Injection(通称PFI)』と呼ばれるポート噴射式タイプは、吸気バルブの手前にある吸気ポートから燃料を噴射します。
直噴エンジンは空気のみ吸気バルブを通して、燃焼室内で空気と燃料の『混合気』となるため、吸気ポートには燃料が付かずエンジンの効率が良くなります。
改良の歴史
1990年代に登場した比較的新しいエンジンです。この当時はとにかく燃費を良くするために、空気中に混ざるガソリンの比重を可能な限り薄くしていました。
リーンバーンの理論空燃比は、現在の14.7倍に対して20から55倍であり、かなり薄まっていたようです。
現代で利用されている多くのディーゼルエンジンは、直噴エンジンとなっていますが、以前は予燃焼室式や渦流室式などもありました。
『ストイキ燃焼』と呼ばれる、空気と燃料の混合気を燃焼させる方式が主流となり、燃焼効率を上げるために様々な研究がされています。
例えば燃料噴出のタイミングを4サイクルとし、クランク2回転のうち1回の燃焼行程だけ、効率良く噴射されます。
また吸気方法も、高温高圧の燃焼室の中でより混合気にうまく点火させるため、点火プラグにも改良が施されています。
メリットは?
メリットとしては、先にも挙げました燃焼効率の良さが挙げられます。
効率が良くなる理由を詳しく説明しましょう。このエンジンはシリンダー直前に備えられている吸気ポート内で燃料を噴射することで、燃料を空気中でより混ざりやすくさせ、混合気を効率よく生成し、燃え残りをより少なくなるよう工夫しています。
燃焼方法がストイキの場合、ガソリンを噴出した際に生じる蒸発熱を吸収することで、シリンダー内の温度がポート噴射よりも低くなります。
その代わり酸素濃度が上昇し、全回転域でのトルクを高めることができ、出力向上と低燃費の両方を実現させることができます。
さらに過給機を使うとコストはかかりますが、噴射される燃料はさらに細かい霧状となり、使っていない場合と比べて、同量の燃料でも表面積が増え、燃焼効率が良くなるのです。
搭載している車は?
燃費効率が良く、多くの車に搭載されています。
例えば国産車ではトヨタのクラウン、ノア、VOXY、ランドクルーザープラド。三菱のレグナム、パジェロ、ランサーセディアといった車種があげられます。
また中型車や大型車だけでなく、軽自動車にも搭載されているものがあります。
スズキのワゴンRが代表的な例で、軽自動車の燃費の良さをさらに引き立てています。
その他、海外車であるアウディ、アルファロメオ、フォルクスワーゲンも、各社このエンジンを搭載しています。
有名どころではアウディのクーペ・アバントや、アルファロメオのアルファブレラ等も該当します。
こちらでご紹介したものでも、グレードによっては別のエンジンを搭載している車種もありますので、詳細は各社のホームページやカタログでご確認ください。
まとめ
直噴エンジンは年を追うごとに改良が重ねられ、どんどん性能が上がっています。
ただ、その構造ゆえにメンテナンスをしないと性能が下がってしまうという弱点も持ち合わせています。
オーバーホールとまではいかなくとも、洗浄系のガソリン添加剤などが販売されていますから、定期的にそちらを使うことをおススメします。
車にはクリーン化が求められ、マフラーなどのパーツもどんどん改良が加えられています。
直噴エンジンの特性を理解し、しっかりとメンテナンスを行って燃費を向上し、エコなカーライフを楽しみましょう。