“ブガッティ ヴェイロン”?時速400km以上で走るロードカーとは?

“ブガッティ ヴェイロン”?時速400km以上で走るロードカーとは?

その怪物の正式な車名「16.4」

20世紀前半にイタリアで活躍したスポーツカーメーカーが“ブガッティ”です。一度、車メーカーとしては衰退していましたが、紆余曲折の末、1998年フォルクスワーゲン傘下のブランドとして復活。かつてのように高級スポーツカーを展開し、ブランド初の市販車として市場に投入されたのが、ヴェイロン(Veyron 16.4 )です。
この「16.4」とはV8気筒×2のW16気筒+4ターボチャージャーを意味しており、最高速度は標準モデルで時速407km、スーパースポーツと呼ばれる強化モデルはそれ以上です。こちらの強化モデルは平均時速431.072kmをたたき出し、2010年に“市販車としては最速の車”としてギネスに登録されました。まさにモンスターカーと呼べる一台です。

驚愕のお値段はなんと〇億円

そんなヴェイロンですが、標準モデルの場合のお値段は発売当初は1億6300万円でしたが、数回の価格改定で、2009年11月以降は1億7900万円となりました。ギネスブックに登録された、16.4スーパースポーツはなんと2億8900万円にもなります。
維持費も非常に高額で年間2500万円という試算もあります。燃費は非常に悪く、最高速度に近い状態では、1L当たり800mしか走れません。時速400kmで走る機会はそうそうないですが、燃費の悪い車には間違いなく、燃料ゲージにガスの残量を正確に把握するためのメーターが備え付けられています。タイヤホイールはミシュランの特別モデルです。4本セットで350万円しますが、フランス国内でしか交換してくれないので、わざわざ送る必要があり、その分の輸送代もかかります。さらに年に一回のメーカーメンテナンスも200万円ほどかかってしまいます。
有り体に言えば金食い虫のため、ブガッティでは購入希望の方に“購入後も維持できるか”のヒアリングもあり、難しいと判断されると販売してくれないそうです。



最高速度を出すために必要な条件は?

最高速度は時速400kmオーバーだと聞くと気になるのは、そんなに簡単に出せるの?という点ではないでしょうか。結論から言えば、いくつかの好条件がないと難しいそうです。
条件一つ目は、見通しが良く整備が行き届いた直線道路です。公式によると加速とブレーキ込みで約11.5km必要だそうです。日本にはあまりなさそうな環境です。二つ目の条件はドライビングテクニックです。F1のレギュレーションは一番緩かった時代で時速370km、インディでも時速380kmなのに対して、 ヴェイロンは標準モデルで時速407kmとそれらよりも時速20km以上も速いのです。相当なテクニックのあるドライバーでなければ、風にハンドルを取られて横転する可能性もあります。

実物を一目見たい! どこかに展示されてたりする?

残念ながら、日本国内において常設展示されている場所はありません。更に標準モデルおよび、16.4 スーパースポーツは2011年に完売になったため、今後モーターショーに登場する機会もないのかもしれません。ただし、バリエーションである、ヴェイロン16.4 Grand Sport は販売が継続されているようですので、東京モーターショーなど大きなイベントの際に登場する可能性はまったくないわけではありません。ちなみに標準モデルの生産型が正式に発表されたのは、2005年の東京モーターショーでした。
また、ライフスタイル・ブティックを併設したショールーム「ブガッティ東京」が2015年に営業を開始しました。ヴェイロンこそ登場はしませんが、今後、ブガッティの新車が(期間限定かもしれませんが)展示されるかもしれません。



ヴェイロンの後継車はシロン

すでにお伝えした通り、標準モデルは2011年に完売となってしました。その後継モデルがシロンです。このシロンはヴェイロンが1200馬力だったのに対して、1500馬力とエンジン回りが強化されており、最高速度は時速420kmに到達するそうです。販売価格も更新されており、ヴェイロンが125万ドルだったのに対して、シロンは260万ドルと倍以上になってしまいました。しかし、発表直後から予約殺到で、納車まで数年待ちという状況です。
なお、このシロンは「ブガッティ東京」に期間限定ですが展示されていました。

まとめ

世界最速の市販車としてギネスに認められた怪物、ブガッティ・ヴェイロンについて今回は見てきました。性能、そして価格。ブランドの意向によってメディア露出も少ないと三拍子揃っていることもあり、一般人からすると神秘性すら感じる特別な車です。 しかし、日本に15台の販売割り当てが存在し、少なくとも3台の納車が判明している以上、絶対に出会えない車ではないのかもしれません。