ブレーキフルードとは?その働きから交換時期まで詳しく解説!

ブレーキフルードとは?その働きから交換時期まで詳しく解説!

ブレーキフルードとは一体何?

車を運転する上で、事故を避けるために大切なメカニズムはなんでしょうか?それはブレーキです。ブレーキがしっかりと働かなければ、走る、曲がるといった基本的な操作を行うことはできません。人の生死にも関わる、車においてとても重要なメカニズムのひとつです。

そんなブレーキに欠かせない液体が、ブレーキフルード。ブレーキフルードは、ブレーキペダルを踏んだ時の力をブレーキに伝える液体のことです。ピストン内に封入されていて、ブレーキを踏んだ時の高い熱に耐えられるように、沸騰しにくい特殊な成分で作られています。ブレーキフルードは年月を経ると劣化し、最悪突然ブレーキが効かなくなることも!そのような事態を避けるため、この記事では交換時期や方法について、詳しくご紹介していきます。



成分や規格について知りたい!

ブレーキフルードの主成分はポリグリコールエーテルと呼ばれる、一種のアルコールです。吸湿性があるため、年月を経ると水分が中に溶け込み、ブレーキを構成する部品にサビを発生させる原因にもなります。こうした性質からも、ブレーキフルードの定期交換は必須と言えるでしょう。
規格については、DOTと呼ばれるアメリカ交通省によるものが一般的で、DOT3からDOT5までが通常目にするものとなっています。DOTの数値が高いものほど沸点が高く、スポーツ走行などのハードに使用に耐えられますが、反面耐久性が低くなっています。
ブレーキの高熱によってフルードが沸騰し、ピストン内部に気泡が発生すると、ペダルを踏んでも気泡が圧縮されるばかりでブレーキが全く効かなくなることを「ペーパーロック現象」と言います。山道を下るときやサーキットを走る時はこの現象が発生しやすくなるので、適切なDOT値のフルードを選びましょう。

ブレーキフルードの補充や交換時期は?

使用前のブレーキフルードは、ビールのような薄い黄色をしています。フルードの入ったタンクは白い半透明であることが多いので、量が減っていて色も劣化していなければ、同じ銘柄のものを継ぎ足しましょう。ただし、あまりに減りが早い場合は、フルード漏れの恐れもあるので注意が必要です。
交換時期は、フルードの規格や劣化の進行具合、車の使用状況によって変わります。車検ごとの交換で済む方もいれば、サーキットや高速道路での利用が多く頻繁に交換が必要な方もいます。経験豊富な自動車整備士の方に相談して、自分の車の使用頻度を伝えて相談しましょう。



交換は自分でもできる?プロに任せる?

ブレーキフルードが劣化すると、こげ茶色に変化します。こうなったフルードは沸点が下がっているので、気泡が発生しやすく大変危険です。継ぎ足すこともできないので、必然的に交換、ということになります。ブレーキに関わる作業ですから、自分では行わず、専門的な知識を持ったプロの整備士に交換をお願いしましょう。
ブレーキフルードの交換には、ピストン内にフルードを補充した後に行う「エア抜き」という作業がとても重要です。エア抜きが確実に行われないと、フルード内に気泡が残っている状態になり、「ペーパーロック現象」と同じ状態が起きてブレーキが効かなくなります。そうした作業も含めて、専門家に任せるのが安全で確実です。

まとめ

ここまで、ブレーキフルードの働きや、交換の重要性等について詳しく解説してきました。ブレーキフルードの交換にかかる費用はショップに頼んでも材料費込みで5,000円から1万円前後。その後の安心に繋がると思えば、決して高い金額ではないのではないでしょうか。
車の安全運転における大事なメカニズム、ブレーキ。その動作を担うブレーキフルードについても、常に気を配っておきたいものです。一度ボンネットを開けて、ブレーキフルードの残量と色を確認してみましょう。色が変色して劣化していたり、量が減っていたりしていませんか?ブレーキフルードをきちんと確認して、これからも安全なカーライフを!