ドライブ中に映画が観れる?ドライブインシアターの魅力
- 2018.02.06
- エンタメ
乗車したまま観る映画とは?
車に乗ったまま映画を見る事ができる 「ドライブインシアター」をご存知でしょうか?
駐車場に巨大なスクリーンを設置し、車から降りずにそのまま車内から映画を観る事ができる施設で、野外の映画館とも呼ばれています。駐車スペースに車を停めてそのまま観ることができるので、車外に出る煩わしさもなく、ドライブの途中に立ち寄って気軽に映画を楽しむことができます。
1930年代にアメリカで発祥し、1950年から60年代に、デートや家族で楽しめるスポットとして大人気を博しました。その人気を受け、日本では1960年代に上映が始まり、全国の様々な場所に巨大なスクリーンが設置されていました。
日本は90年代がピーク
日本では1990年代に全盛期を迎えますが、2018年現在では日本にはドライブインシアターは存在していません。2010年を最後に全て閉館となってしまいました。
経営的に平均して一定以上の動員数が無いと採算が取れない中、野外なので雨の日や雪の日は来客も少なくなり、天候に影響されることが多かったことから採算割れに陥るところも増えていきました。さらに日があるうちは光の反射や逆光でスクリーンが見えないので、日が落ちてからしか上映ができません。天候と時間帯という条件も厳しくどんどん衰退していき、2010年に神奈川県の大磯にあった最後の1館が閉館となったことで、日本から常設のドライブインシアターは無くなりました。
音声の再生は?
野外での上映でしたので、室内で観る映画館のようにスクリーン脇のスピーカーから流すということが難しい面もあります。
また、暑い夏場などエアコンの関係で窓を閉め切ったまま観賞をする車もいます。そんな中、音声はどのようにして上映しているのでしょうか?
その答えは車のラジオにあります。殆どのシアターでFMを利用して音声を発信していました。それぞれの自動車が車内ラジオを利用して音声を受信し、映像は外のスクリーンで音声は車内のスピーカーでという形で映画を観ていました。車内のラジオを利用しているので、音量を好みに合わせて調整できるというメリットもありました。
映画館にはない独特の魅力とは
夕方から夜間に上映が行われていましたが、1つの空間に多くの人が存在する映画館とは違い、車で仕切られたいわば個室のような空間になります。
恋人同士のカップルで鑑賞すると、映画館とは違ったムード溢れる空間となりそうです。また家族連れなら、映画館とはまた違った独特な雰囲気にお子さんはきっと喜ぶことでしょう。
映画館で同じ映画を見てたとしても、回りの景色や環境が変わると、また違った印象を受けるかもしれません。
毎回家族連れなど多くの人で賑わう不定期開催も
2010年を最後に、日本から常設のシアターは姿を消していますが、不定期イベントとして開催されることがあります。
2017年にも神奈川県にある大磯プリンスホテルの駐車場にて 2日間限定で開催され、家族連れやカップルなど多くの人で賑わいました。不定期開催は事前に申し込み、抽選で当選した人が鑑賞できるという流れも多く、必ずしも希望者全員が参加できるとは限りません。しかし、不定期開催で一定の評判を得る事が出来たら、常設での開催も視野に入れるという所も。
今後の注目度や動向によっては、日本に常設のドライブインシアターが復活となる可能性もあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。既に日本から姿を消して久しい、車に乗ったまま映画を楽しめるドライブインシアターについて解説しました。
野外での運営は採算上の厳しさもあるようで、常設とまではなっていないものの、毎年のように不定期開催が行われています。入場は事前に抽選となることが多く、毎回多数の人が募集する人気ぶり。
その時しか観れないというのと、いつでも観れるというのとでは人の動向も違うのでしょうが、常設での復活を切望する声も増えています。車で駐車場に乗りつけるだけで映画を観る事が出来る手軽さと、野外で「個室」という車ならではの魅力は、ドライブインシアターでしか味わえないものです。機会があったらぜひご体験くださいね。