アクセルとブレーキの踏み間違えは高齢者だけ? 後悔する前の事故対策

アクセルとブレーキの踏み間違えは高齢者だけ? 後悔する前の事故対策

アクセルとブレーキの踏み間違えは高齢者だけの話ではない

「踏み間違えで事故を起こすのは高齢者だけだ。若い自分は大丈夫」と思っている方、その考えはとても危ないです!
確かにニュースなどで報道される大きな事故は高齢な方中心です。しかし公益財団法人交通事故総合分析センターの分析によると、アクセルとブレーキの踏み間違え事故は年間5000件ほど発生していますが、60代以上が関係している事故は全体の約4割です。逆に発生件数0件の年齢層もありません。つまり3件の事故が発生すれば、そのうち2件は18~59歳が関係していると言えます。
このことから分かるように高齢者だけの事故だと言えません。全ドライバーが加害者になりうる、という自覚を持って対策を行う必要があります。

踏み間違え事故多発地帯は駐車場

駐車場は踏み間違え事故を発生させやすい環境にあり、特に今どっちのペダルに足を載せているのか意識した方が良いでしょう。
具体的な事例としては『発進時の踏み間違え』です。AT車のクリープ現象対策としてブレーキを踏んでいたつもりがアクセルだった、というパターンです。他にもAT車でクリープ現象を利用してゆっくり確実に車を停車位置へと誘導しベストポジションで車を停止させるつもりが、アクセルを踏んでいた、という例があります。
そもそも、「なぜペダルを踏み間違えたのか」ですが、駐車場には他の車や人など注意を向けなければならないものが多いだけでなく、バックなどのために身体の姿勢が変わってしまうことも一因に挙げられます。普段の運転姿勢から変わっているのに、普段の感覚で足を延ばすと、そこにあるのはブレーキではなくアクセル。しかも、気が付かずに踏み込んでしまいました、というケースが多いのです。



手軽な対策は急発進防止装置の導入

アクセルとブレーキの踏み間違え事故を防ぐ一番手軽な方法としては、急発進防止装置の導入が挙げられます。急なアクセルの踏み込みを感知すると、誤った踏み込みではないかと判断し、ゆっくりとしか発進させなかったり、そのものを許さないなどして、事故を防ぎます。
最近の新車であれば、標準装備やオプションで装備させられます。現在装備されていない車についても、オートバックスから『ペダルの見張り番』という魅力的な後付け装置が発売されているので、そちらを利用するのも手です。お値段は約4万円と、人によっては安くないという印象を持つかもしれません。しかし、事故を起こした際の出費、そして場合によっては社会的制裁を加えられる可能性を考えるとかなりお得ではないでしょうか。

将来的には普及するかも? ワンペダル

そもそもペダルが二つもあるから踏み間違えてしまう、という発想に立った装置がワンペダルです。一つのペダルでアクセルとブレーキを制御することができる優れもので、ナルセ機材有限会社の商品が有名です。このワンペダルは、踏み込むとブレーキ、右へ倒すとアクセルがかかります。慌てて踏み込んだ際は確実にブレーキになるだけでなく、アクセルからブレーキに足を動かすタイムラグもないため、飛び出しなどの突然の状況にも強いというのが売りです。
新車には装備されておらず、後付けするしかありませんが、その取り付け費用が約20万円という高額さがネックです。しかし、メリットが多く導入を検討する方は少なくありません。なお、一部の自治体では助成金を受け取れますので、興味のある方は役所に問い合わせてみても良いでしょう。



議論はあるけれど有効な対策 左足ブレーキ

自分の車には急発進防止装置は装備されていないし、ワンペダルを含めた後付け装置にも非対応、という方ができる対処法は左足ブレーキです。その名の通り右足はアクセル、左足はブレーキと足から使い分ける方法です。右足をアクセルとブレーキの間で移動させる必要がなくなるため、一部のモータースポーツでは極々当たり前のテクニックとなっています。ただし、日本の教習所では教えてくれませんし、現行の市販車では左足ブレーキを想定した設計になっていないため、行うべきではないという意見も根強いです。また、古いブレーキオーバーライドシステムのない車の場合、慌ててブレーキを踏んだ際、一緒にアクセルを踏んでしまうと車は停止せずに暴走するため、新たな事故原因になるのでは、という指摘もあります、

まとめ

いかがでしたでしょうか。繰り返しになりますが、アクセルとブレーキの踏み間違え事故は高齢の方特有の事故ではありません。全ドライバーが等しく加害者になりうるのです。事故を起こし自分や他人を傷つけて後悔する前に、安全基準を満たす車の購入や後付け装置の利用といったハード面の充実、そして意識付けを行いましょう。必要な対策の実施は責任あるドライバーとして、とても重要なことです。