あまり知られていないブレーキパッドの弱点などを解説!
- 2018.02.15
- 車の知識
ブレーキパッドとは?
ブレーキパッドについて呼び名は知っていても、役割や素材などについてご存知の方は少ないのではないでしょうか?ブレーキパッドとはクルマを止める時に、タイヤの回転を止めなければならないですが、その時に「車輪とともに回転する円盤状のディスクローターを止める摩擦材」がブレーキパッドです。ドライバーがクルマを止めるにはブレーキペダルを踏みますが、その時にブレーキマスターシリンダーから油圧がキャリパーのシリンダーに送られることにより、ピストンが押し出されます。その力によってブレーキパッドがディスクローターに押し付けられタイヤを止めると言う形になります。
ブレーキパッドの摩擦材は、ブレーキの度に消耗していく
<pブレーキパッドの摩擦材は、主に摩擦を発生させる金属粉と骨格となる金属繊維やアラミド繊維などの結合材を樹脂とともに整形したもので、これが鋳鉄製の台座に備え付けられています。ブレーキパッドの形状は色々とありますが、フェード現象などの対策のために溝が設けられているものや、角をなくし面取りされたものも存在します。またブレーキパッドの摩擦材はブレーキ踏むため削られていきますので、どんどん薄くなっていくのが特徴です。人や荷物を多く乗せる機会が多ければ、同じブレーキの使用回数でも摩擦材の消耗が激しくなります。
ブレーキパッドの弱点は高温の状態
ブレーキパッドと熱の関係ですが、車が動いている運動エネルギーを摩擦熱という熱エネルギーに変換することでスピードの減速を行っているため、大量の熱が発生するのです。この熱でブレーキ本体が高温になりやすくなります。ブレーキパッドなどの摩擦材は一定以上の高温になると、摩擦力が極端に低下することをフェード現象と呼び、ブレーキが効かなくなります。またブレーキ本体の熱が油圧経路に伝わって、ブレーキフルードの温度がが一定以上になると油圧を伝達できなくなります。これをペーパーロック現象といいます。これもブレーキが使えなくなる現象です。
ブレーキパッドの交換時期
基本的に新品のブレーキパッドは厚さが10 mm となっています。このブレーキパッドの厚さが5mmまで減ってしまうと、交換を考えた方が良いでしょう。5 mm と気付いた時点から1ヶ月以内に車検や点検があれば、専門家にチェックしていただき、そうでない場合はブレーキパッドだけの交換をすることも視野に入れましょう。 それほど難しい作業ではありませんが、分解作業に該当しますので整備士の資格が必要ではないでしょうか。少々お金はかかりますが、大切な命を守るブレーキですので惜しまずに投資しましょう。また古い車になりますとディスクローター自体が薄くなっている場合もありますので、注意が必要です。
ブレーキパッドのグレードアップ
運動性能の高いクルマはブレーキ全体の性能も高く、ブレーキシステムの高温化を防ぐ工夫を随所にちりばめています。タイヤの周辺のボディににエアダクトを設けて、温度を下げるため空気を取り込んでいます。ブレーキパッドの場合は、スポーツタイプのパッドは摩擦係数が高い材質や加工が施されますので、一般的なパッドより少ないブレーキの踏力で止まることができます。また高温になりにくく、ブレーキの効果が維持できます。デメリットは費用が高いことと、一般道の使用に限ると消耗ペースが早いことが挙げられます。スポーツタイプのブレーキパッドは海外製ではブレンボ、国内製ではエンドレスなどが歴史を持っていますね。
まとめ
ブレーキパッドの交換費用は、部品と工賃を合わせて、軽四輪で1万円ほど、普通車で2万円ほど、高級車やスポーツカーで3~5万円ほどの費用になります。交換の目安は5mmと説明しましたが、目視では分かりにくいです。高級車であるベンツやBMWは電子制御システムでブレーキパッドの交換時期のサインがでるようになっていますが、国産車の標準装備になるにはもう少し時間がかかりそうですね。感覚的に止まるチカラが弱く感じる、ブレーキの際に「キー」という音がなり始めた、タイヤホイールがひどく汚れるなどの症状が出始めたらブレーキパッドの減りを疑ってみてください。以上ブレーキパッドについての解説でした。