伝説となったリトラクタブルライトカーを思い出してみよう!

伝説となったリトラクタブルライトカーを思い出してみよう!

リトラクタブルライトってなに?

リトラクタブルライトとはクルマのヘッドライトがボディに格納できるタイプをそう呼んでいました。1980年ころから国産車にも採用され始めました。特にスポーツカーは多く、ライトがない状態のスタイルとヘッドライトがポップアップされた状態のスタイルを楽しめることができました。リトラクタブルライトカーのヘッドライトがないスタイルは、エクステリアの幅も広がり、引き締まった表情のスタイル。反面、夜間ヘッドライトを出した時のリトラクタブルライトカーのフェイスは、精悍さはありませんが、目を覚ましたような表情が素晴らしいという声もありました。

メリットやデメリットがあったリトラクタブルライト

リトラクタブルライトを採用した場合のメリットは、真正面から受ける空力を減少させることができます。当時の国産車のレースは昼間行われることが多かったこともあり、ライトを隠してしまうリトラクタブルライトが多く採用されたこともうなずけますね。デメリットは、ライトを出した場合の空気抵抗の増加、ライトを出した場合の前方の見切りの悪さ。ポップアップ機能が壊れた場合のヘッドライトが点かないこと、対人の事故を起こした場合、飛び出しているライトの尖っている部分が相手に当たることがあり、危険度を増すことなどが挙げられます。


リトラクタブルライトならではのカスタムがあった!

クルマのヘッドライトはフェイス部分でもかなり重要で、エクステリア全体の評価をも左右してしまうところです。人の場合も、眼が少し変わるだけで印象がグンと変わります。リトラクタブルライトでクルマの本来持っている表情と違うものを作るカスタムが流行しました。まずは片方だけアップした状態にするカスタムですが、人でいえばウインクしているような表情になります。もう一つは、両方のリトラクタブルライトを半開き状態で固定し、人が眠いような表情を作り出すカスタムです。この要因は日産のスポーツカーであるフェアレディZ(Z31)が、半分リトラクタブルライトを出すエクステリアだったため、Z31のニックネームが「眠たいマスク」になりました。

気になるリトラクタブルライトカー① マツダ・ファミリア・アスティナ

国産でのリトラクタブルライトカーの中で、特に変わっていたコンセプトを持っていたマツダ・ファミリア・アスティナをご紹介いたします。元号が平成に変わった頃、日本の自動車メーカーは、ドイツ車のテイストをとり入れたクルマの開発に乗り出しており、アスティナにも注目が集まりました。クラスを超えた圧倒的ボディ剛性とリトラクタブルライトの採用、ワゴン、ハッチバック、クーペを融合したエクステリアは「4ドアクーペ」の異名をもつ稀有なクルマとなりました。登場した時のインパクトは大きく、現在も国内外問わずファンクラブが存在するほどで、リトラクタブルライトの名車のひとつと数えていいのではないでしょうか?



気になるリトラクタブルライトカー② ホンダ・プレリュード

当時の若者が所有していた六本木のカローラと揶揄されたBMWの3シリーズが人気だった頃、負けず劣らず都会でのデートカーの象徴と呼ばれ、一世を風靡した国産車がプレリュードです。リトラクタブルライトの採用から生まれたエクステリアは「美しい」と表現されるほど洗練されていました。「目を閉じて見えてくるクルマは少ない」というキャッチフレーズでデビューした3代目のプレリュードは、リアのスタイルの良さも高評価を受けており、「女性にもてるクルマ」として若者から大人気となりました。噂ではありますが、プレリュードの復活の可能性が出ているそうで、エクステリアはとくに気になりますね。

まとめ

1970年台に起こったスーパーカーブームをご存知の方には説明不要のリトラクタブルライトですが、2018年現在の新車では発売されていないので、若い方はご存知のないヘッドライトの形だったのではないでしょうか?あれほどの人気だったリトラクタブルライトが絶滅した理由は先ほど紹介したデメリットの部分がほとんどでしょう。リトラクタブルライトの復活の可能性はかなり低いと思いますが、マツダが2015年に発表したRX-コンセプトはヘッドライトが格納されているかのようなデザインでした。リトラクタブルライトのスタイルの復活が期待できるのは、マツダかもしれませんね。