クルマ作りに欠かせないフライホイールについて解説!

クルマ作りに欠かせないフライホイールについて解説!

フライホイールと呼ばれるものとは?

これは機械の部品などで、丸い円盤ドーナツの形をしている物をフライホイールと呼んでいます。物体には動きを続けようとする慣性という性質があり、回転する物体も回転を続けようとする性質があります。これを慣性モーメントと言います。フライホイールはこの慣性モーメントを利用するための円盤です。車の部品として使われる場合はエンジン等で使われています。様々な素材で作られる場合があり、鉄鋼やアルミニウム合金、あるいは軽量化を目指した特殊合金などです。 特殊な構造としまして、スプリングを備えているフライホイールも存在します。

エンジンで使われるフライホイール

フライホイールの定番の使用方法は、先述した通りエンジンの部品として使われています。ではフライホイールがエンジンでどのような役目をしているのでしょうか。
エンジンはそれぞれの各気筒を異なる行程にすることで、連続して爆発の動作ができるようになっています。実際にチカラを発生するのは、燃焼と膨張の行程の前半の時です。そのためエンジンが一回転する間にトルクの変動が起こってしまいます。こうしたトルク変動を小さく抑えバランスをとることと、一定の回転数に安定させスムーズなエンジンの活動を保つことが、フライホイールの役目です。



ハイブリッド自動車で使用されるフライホイール

ハイブリッドカーの課題になっていることが2次電池用モーターのコストです。そのために各自動車メーカーの研究開発が進んでいます。中でもフライホイールを利用する機械式ハイブリッドカーにはかなり注目が高まっています。スピード減速時に運動エネルギーを回収し、走行に利用するエネルギー回生が可能となっております。実際に蓄えられるエネルギーの量は決して大きくありませんが、エンジンの燃費を向上させるには非常に有効です。既にレーシングカーに適用され実績も残していますので、市販車にその技術がい活かされていくでしょう。

ハイブリッドカーとフライホイールの関係について

日本ではTOYOTAのプリウスを筆頭に、ハイブリッド車がドンドン生まれています。そのほとんどが、機械式ハイブリッド自動車です。機械式ハイブリッド自動車の基本はと二輪駆動車で、二輪駆動のエンジン自動車の非駆動輪側(FF車なら後輪)にフライホイールのシステムが備えられます。このシステムをフライホイール KERSと言います。 合わせてハイブリッドの四輪駆動ということになります。フライホイールは、高速で回転させた方が効率よくエネルギーを回収できます。また駆動させる際には走行に適した回転数にする必要があるために、フライホイールと駆動軸の間にはCVTが備えられます。



バッテリーにも使われるフライホイール

フライホイールを使用するハイブリッド技術には、フライホイールバッテリーと呼ばれるものがあります。フライホイール式ハイブリッドは運動エネルギーをそのまま蓄えますが、フライホイールバッテリーはその名の通り、電池エネルギーを運動エネルギーに変換して蓄えます。二次電池の代わりにHEV(電気自動車) に採用することも可能です。フライホイールバッテリーの構成は,フライホイールとモーターの2つを合わせたものになります。エネルギーを蓄える時は、回生制度で得られた電力でモーターを回し、電力が必要になった場合は、フライホイールを回転させ発電を行います。

まとめ

今回はフライホイールを掘り下げてみましたが、いかがだったでしょうか?その昔MT車に取り付けられている、エンジン側のフライホイールの軽量化がスピードアップのチューニングとして行われていたこともありました。しかし、現在はあまり耳にしなくなりましたね。ちなみに、ほとんどのAT車にはフライホイールがありません。フライホイールが活躍しているハイブリッド技術は、高級車への採用も増えてきています。当初あった出力の弱さも大きく改善され、スポーツカーにもハイブリッドが進出しましたが、HONDAのフラッグシップNSXへのハイブリッド採用は衝撃的で、研究内容や開発のスピードに驚かされました。フライホイールの仕組みは我々の生活のいろいろな製品に浸透していますので、ぜひ調べてみてください。