ダッシュボードは、もうひとつの車の顔です。

ダッシュボードは、もうひとつの車の顔です。

そもそもダッシュボードとは、何ぞや?

ダッシュボードという言葉、車を運転される方ならもちろんご存知ですね。でも、その意味については、あまり考えたことがないのではと思います。英語の”dash”には、「はね上がる」などの意味もありますが、さてダッシュ板とは……?その語源は、馬車の時代にまでさかのぼります。馬車を操る御者と馬の間にあった、泥や小石がはねて来るのを防ぐ目的で付けられていた板が、実はダッシュボード。馬車を加速する際には、この板を踏みつけて踏ん張ったとも言われています。やがて車の時代になって、御者はドライバーとなり、その前にあるステアリングなどを取り付けた部分全体を、ダッシュボードと呼ぶようになったというわけです。車のフロントマスクが表の顔とすれば、ドライバーが、長時間向き合うことになるダッシュボードは、もうひとつの車の顔といえますね。

どこまでがダッシュボード?

ところでダッシュボードは、どこまでがダッシュボードなのでしょうか?一般的には、フロントウインドの下部分、前席の正面にあるステアリングからメーターなどの計器類や、エアコンなどの電装品の操作部分がある内装全体を指して、ダッシュボードと称しています。ちなみに、インパネという言葉もありますが、これはインストルメント・パネルの略称、つまり計器のついたパネルということで、スピードメーターやタコメーター、燃料計など車を操作する上で大切な計器類がついたパネル部分ということになります。車の草創期には、ウォルナットの板などにメーターやステアリングを取付たダッシュボードもありました。現在では万一の事故に備えてクッション材を内側に貼ったりエアバッグも内蔵していたり、レザーで丁寧に覆ったりと、ドライバーの操作性と快適性、そして安全性から美しさ、質感までを考え、素材選びからデザインまでメーカー各社が工夫を凝らして作られています。



ダッシュボードに愛を

車を運転する時には、いつも見ていることになるダッシュボード。それだけに、愛情を持ってきれいに大切にしてあげることが、安全かつ快適に車を操作することにもつながります。最近の高級車では、内装を皮革やビニールレザーなどで覆った車も多いのですが、アルコールの入ったウェットティッシュなどで拭いたりすると素材によってはシミになったり変色したりすることがあります。樹脂を使ったものなどでも、素材と色によっては変色することもあるので、まず目立たないところを拭いてみて色が変わったりしないかを確認してからお掃除するようにしましょう。計器類も見やすくきれいにしておくなど愛情を持って車をメンテナンスすることが、快適でゆとりのある運転にもつながりますね。

メーター類と操作系は、いつもきれいに

インパネ部分ですが、ここにあるメーター類は車の速度やエンジン回転数、エンジンオイルの温度など大切な情報をドライバーに教えてくれます。それだけに常に見やすくきれいにしておきましょう。特に油汚れなどが付いていると乱反射したりして視認性が落ちることもあります。インパネのメーター類も、最近はデジタル化されていたり、IT技術でディスプレイに表示されるものまで登場しています。ディスプレイパネルのようなところを掃除するには、ノートパソコンのディスプレイを掃除するウェットティッシュが便利です。また、オーディオの操作スイッチやライト等のスイッチ類、ウィンカーやウォッシャーレバーの根元なども、時々ほこりやゴミを取ってあげることで、電装系の故障を防ぐことにもつながります。



ダッシュボード、こぼれ話

ダッシュボードには、ステアリングからメーター類、エアバッグ、オーディオ操作スイッチなどがセットされています。そして、助手席側にあるのがグローブボックス。今は車検証を入れていることが多いと思いますが、実は自動車草創期に、運転する際にドライビンググローブをはめることが多かったため、そのグローブを収納する場所であったことに由来した名称です。そして意外に知られていないワンポイント知識をひとつご紹介します。それは、ガソリンメーターの給油機型アイコンの横にある小さな矢印型のマークです。これ、実はガソリンの注入口を表示しています。矢印が右に付いていれば右側に、左に付いていれば左側にガソリンの注入口があるというわけです。車に時々しか乗らない方は、ガソリンの注入口がどっち側だったか忘れていることも多いですよね。でもこれを覚えておけばもう安心です。

まとめ

ダッシュボードは、馬車が交通の中心だった時代に、御者と馬の間に取り付けられ泥や小石がはね上がって来るのを防ぐための板が語源です。車を運転する時には、ドライバーが色んなスイッチを操作したり、メーター類によって速度など重要な情報を得たりする大切な存在。車のフロントマスクが表の顔とすれば、ダッシュボードはもうひとつの車の顔ともいえるものなのです。それだけに、時々掃除をしたりスイッチやメーター類を点検し汚れを落として、いつもきれいにしておくことが、快適でゆとりのある安全運転にもつながります。運転に必要な情報を提供してくれる計器類や、安全確保につながる様々な装備が取り付けられているダッシュボード。この週末は、外回りの洗車だけでなく、点検を兼ねてダッシュボードのメンテナンスもぜひどうぞ。