【知られざるメリットが!】日産の軽自動車を選ぶ理由とは?
- 2017.12.26
- 車の選び方
日産ブランドの軽自動車は全てOEM?
「日産自動車(以下、日産)は、軽自動車を販売していても、メーカーではない」と思われているかもしれません。確かに日産は自社工場で軽自動車を製造していませんが、2011年に三菱との合弁による軽自動車開発会社NMKVを設立し、軽自動車を開発しています。このことから、日産は軽自動車開発メーカーであると言えます。
「日産 デイズ」などは、NMKVで開発された日産ブランドの軽自動車です。
一方で軽ライトバンの「日産 NT100クリッパー」、乗用モデルの「日産 NT100クリッパーリオ」の2車種は、スズキからOEM供給を受けて日産ブランドとして販売しています。
OEM供給を受けるメリットは、製品開発に投じるコストを軽減できることがあげられます。逆にOEM生産を行うメーカーは、生産数に応じた販売をコストを掛けることなく売るメリットがあります。製造、販売の両コスト軽減は、それをユーザーへのサービスに振り当てることができます。
「日産 デイズ」シリーズに魅せられるもの
日産が、軽自動車開発の願いを込め満を持して市場投入したのが、「日産 デイズ」です。
2013年に発売された「デイズ」は、共同開発という枠を超え、まさに日産の産んだ軽自動車と言っても過言ではありません。日産の得意とするスポーティーなデザインフォルム、高級車で培ってきた上質なインテリア、そして軽自動車ならではの低燃費の実現など、この一台に掛けた日産のこだわりを感じることができます。
「デイズ」は発売以来、日産の軽自動車販売を牽引し、続投された「日産 デイズハイウェイスター(X)」は、発売同年に目標台数の3.75倍という大ヒットを成し遂げました。
「デイズ」の魅力は、日産が最も力を入れたというデザインフォルムの完成度の高さが際立っている点です。さらに、エンジンに3気筒インタークーラーターボを加えたことで、フォルムに見合った走りを実感できる車として、ドライブフィーリングにこだわるユーザーの気持ちを捉えることができたのも功を奏したと言えます。
日産の乗用軽自動車ブランドと共同開発及びOEM元のブランド
車造りの歴史の中で、日産が軽自動車のカテゴリーに分類される車を自社製造したことは、1999年に独自開発した電気自動車「日産 ハイパーミニ」以外、一台もありません。
以下は、乗用軽自動車での一覧です。
2002年〜2016年 軽トールワゴン「日産 モコ」→「スズキ MRワゴン」
2005年〜2013年 軽セミトールワゴン「日産 オッティ」→「三菱 eKワゴン/eKスポーツ」
2007年〜2013年 軽乗用ワゴン「日産 クリッパーリオ(初代)」→「三菱 タウンボックス」
2008年〜2013年 軽SUV「日産 キックス」→「三菱 パジェロミニ」
2009年〜2013年 軽トールワゴン「日産 ルークス」→「スズキ パレット」
2013年〜現在 軽乗用ワゴン「日産 NV100クリッパーリオ(2・3代目)」→「スズキ エブリイワゴン」
2013年〜現在 軽トールワゴン「日産 デイズ(ハイウェイスター含)」→「三菱 eKワゴン/eKスポーツ」
2014年〜現在 軽スーパーハイトワゴン「日産 デイズルークス」→「三菱 eKスペース」
日産 デイズが継承したもの
日産車は、スポーツカーで賛辞された時代がありました。それは、「フェアレディZ」や「スカイライン2000GT-R」といった伝説的名車を誕生させ、スポーツカーファンを魅了した時代です。
日本の自動車メーカーのほとんどは、戦後復興とともに成長してきました。欧米に比べれば遥かに遅れたスタートだったと言えます。日本のメーカーを成長させたエネルギー源は、高度経済成長による大衆車路線でした。対して欧米ブランドは、高級車やスポーツカーといった一部の富裕層を対象にした車だったのです。そんな中で、日産が誕生させた「スカイライン2000GT-R」は、セダンのボディを持ちながら、輸入車を凌駕して余りあるハイスペックのスポーツカーでした。国産車なら何とか手が届く、当時の若者たちはそう思い描き、ついにそれを手に入るチャンスが訪れたのです。
日産が築き上げてきた「スポーツカーの日産」というブランドイメージ、それは何年もの歳月に隔てた現在においても決して色褪せていません。それを、対象の異なる軽自動車ユースで、「日産 デイズ」が継承したのです。
軽自動車ロングセラー「日産 モコ」
日産ブランドの軽自動車で、忘れてはならないのが「日産 モコ」です。「モコ」は、2002年の市場投入から販売終了の2016年まで、長きにわたり愛され続けてきた軽自動車でした。
オーナーは、男性よりも女性、しかも比較的若い女性層です。「モコ」というネーミングから、ペットのような愛らしさを感じさせ、「若葉マーク」の女性が運転しても安心感ある車でした。
日産は「モコ」のコンセプトを「若いアクティブなママが、子供と一緒にどこへ行ってもジャストフィットできるベストパートナー」と謳っていました。高めのドライバーズシートからの良好な視界、気の利いた収納スペース、親しみを持てるカラーバリエーション。
「モコ」の魅力には、オーナーへの気遣いもあります。助手席から運転席へ気軽に移れる「サイドウォークスルー」の採用、さらにパーキングブレーキをフット式にし、オーナーから大好評でした。
まとめ
日産は、軽自動車を主力とする自動車メーカーではありません。しかし、日産だからこそ求めるユーザーに応えられる車という考え方があります。
それこそが、「単にOEM供給された車のオーナメントを付け替えて販売しているのではなく、製造していなくとも日産の軽自動車だ」という日産の自負を裏付けるものです。
常にユーザーのドライビングシーンに思いを馳せ、いま何が求められているのか、どんな車だったら喜ばれるのか、そうした一つ一つのニーズを捉えて新しい軽自動車のあり方をコンセプトに反映していく。そうした日産の姿勢が続く限り、日産ブランドの軽自動車を希求するファンは終わるところを知らないと言えるでしょう。